Category: Books/CDs


スケールブック

2010-12-26

19284403.jpg"ART OF SCALES (FOR CELLO) (Bill’s Music Shelf)" (M.M., Wells Cunningham) 全96ページ

Internet cello societyで推薦されていた本だったと思う。

この本は,見開き2ページで1つの調性をまとめてある。楽譜は白地に大きな黒玉。(見本pdfのリンク
他のエチュードのスケールに比べると,黒玉が大きくて見やすいし,2ページで1つの調性だから練習もしやすい。

最初のページはAcceleration patterns。一弓2音から,一弓24音までのスケールのエチュード。
続いて,24の調性ごとに見開き2ページで,スケールとアルペジオ,オクターブの重音エチュード。
本の後半は,3オクターブのリズムバリエーション,そして,上級者用の3度の重音,10度の重音。

フラットやシャープが多くなるとテキメンに手が鈍るのを,これで克服したいものだ。


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「演奏のための楽典」

2010-5-8

GWの気持ちの良い日にじっくり読んだ本。
本棚のこやしになっていた本だが,今の私に,ちょうどフィットする本だった。いい本が手の届くところにあって良かったわ ^^。

音楽の演奏は,例えて言えば古文の朗読と同じでは?と思う。
句読点がないのが常識の古文も,朗読する人が全文を理解していれば,聞く人はフレーズと文意を容易に理解できる。
音楽も,曲のフレーズを理解しているヒトの演奏は,私でさえ情緒が分かる。


ところがだ。私が曲を弾くと,フレーズも情緒のへったくれもない。
弾く本人が分かっていないんだから,『あったま悪そう』なチェロになるのは当然の帰結である。

チェロを弾くたびに,『何にも考えてなさそう』な自分の弾き方に困ってしまうが,演奏のルールを体系だてて把握していないので,どうにもならないのがもどかしい。

そんな問題意識の中で読むと,染み込んでくるのが,この「演奏のための楽典」という本の幾つかの記述だ。

例えば,繰り返し記号。2本線に2つの点の繰返し記号の繰り返しと,楽譜に同じ音符の小節が繰り返して書かれている繰り返しとを,どう弾き分けるか? 
今まで私は,そういう部分を,なぜ繰り返し記号に統一しないのだろう? と疑問に思っていた。暗黙の了解で,弾き分けることになっていたのですね。
たとえば,音が上がっていくフレーズと下がっていくフレーズの弾き分け。
チェロの先生も,オーケストラの指揮者も,音が上がっていくところを「ここはクレッシェンドで」と幾度となく御注意下さった。
それが常識でも,私のようにそれが常識であると理解していない人は,何度も同じ事を教えていただくことになる。
などなど。

「理知的な演奏」という言葉で,演奏上の暗黙の了解事項を随所で解説されているこの本。私にはベストの楽典の参考書だ。
ピアノの先生が書いたロングセラーであるらしい。

(もちろんどの楽典の参考書も本質的には内容は同じだが,作曲家の書くもの演奏上の注意などほとんどない。この本が他と違うのは,その点だ。)

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メヌエット(他)は,参勤交代のダンスなのですか…

2009-10-12

正しい楽譜の読み方 -バッハからシューベルトまで-
〜ウィーン音楽大学インゴマー・ライナー教授の講義ノート〜
大島 富士子 (著)
楽譜に演奏記号のない古典の曲の,演奏速度や装飾音の決め方を教えてくれる本だ。
ウィーン国立音楽大学のセンセイの講義をベースにした本だが,薄いし,平易で,エピソードも豊富なので,音楽読み物としても楽しい。
地元のYAMAHAで見つけた。今年9月に出たばかりの本のようだ。
バロックのダンスの解説もある。
ヨーロッパの宮廷のダンスは,日本の参勤交代と似た意図があり,各地の領主を強制的に城に集めて,謀反を企てる暇がないようにするシステムだったとか。


大広間で椅子に腰掛けるのは,王と王妃だけ。残り全員は何時間も立ちっぱなし。
メヌエットなどは1度に1組が10分ほど踊る曲で,臣下は2人1組で並んで待機し,何時間でも飲まず食わずの立ちっぱなしで踊る順番を待ったのだとか。
メヌエットは優雅な曲だけど,何だか楽しくなさそうな話だ。
他に,交響曲のワルツやスケルツォによく出てくる「トリオ」の意味も,私はこの本ではじめて知った。
宮殿では延々と演奏が求められるので,楽士3人だけで演奏できるトリオを入れておいて,その間,他の楽士の休憩や交代の時間を確保したのだそうだ。
などなど。


私は鈴木のテキストでチェロを習っているが,このところバロックの曲が目白押しである。
「この曲の作曲の時代を考えて,装飾音は上からかけます」
「この4分音符のトリルは8分音符の長さまで続けて下さい」
「この#は,変わった音なので丁寧に際だたせて」
「ここはカデンツなので,長めに」
などなど,先生に新しいことを教えて頂くたびに,はい,と返事しつつも,楽譜以外に,知識体系として読みやすい参考書がないものか?と思っていたところだ。
たまたまYAMAHAで見つけたこの1冊。サラッと読める本だ。
この本のおかげで,この時代の曲に必要な気配りの範囲のイメージがつかめたような気がする。(理解しても弾くのはヘロヘロだが。)


ところで,私のように,Suzukiの教則本で,曲を飛ばさず順番にチェロを習い続けるような大人はどれほどいるのだろう? 鈍い私は,カタツムリのような進捗だ。
鈴木の曲はクラシックの古典ばかりで,私の知らない曲が多いが,1曲1曲,弾き慣れると楽しい曲ばかりだ。
曲が進むと,難易度も漸次上がっていく。
ほんの1つ前の曲で散々苦労したのに,また新たなワナが待っていたのか。。。と,新しい曲が始まると,いつも新鮮に困惑する。それも楽しい。
鈴木の教則本でユルユルと習うのは,私の気性には合っていると思う。
私の,チェロの奏法テクニックのイメージは数学教育。
私が習った時代で言えば,数I,数IIB,数IIIと,次の単元を解くのに必要不可欠な要素を1つずつ習得していくから,次の単元の問題も解ける,そんなイメージだ。
(文法は単純なのに,例外規則をしこたま覚えないとならない英語のアプローチが,私は苦手なので,好きな数学の方をイメージしてしまうのだと思う。)
たまに,オケでポピュラーをちょろっと弾くと,あまりのリズムの難しさに弓が追いつかずで,ポピュラーは敬遠したい気持ちである。
でも,ゆったりした叙情的な曲なら弾きたいなー。
最近私が気付いたのでは,映画「めがね」の「めがねのチェリスト」が良かった。楽譜が無いので,耳コピで2小節まで音を取ったが,…。仕上がってない。

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音律と音階の科学

2009-9-21

音律と音階の科学―ドレミ…はどのようにして生まれたか 
小方 厚 (ブルーバックス)

チェロで音程のとり方が気になっていたので,音程のまとまった解説が欲しくて読んだ.
物理学の先生の書いた本.物理と音楽が1冊にスッキリとまとまっている.
ピタゴラス律に始まって,民族音楽からジャズ,現代音楽の音律まで,各種の音律の成立の背景と構造が,楽しく興味深く身にはいる本だ.
ドリア旋法,フリギア旋法,etcと教会旋律.自然短音階,旋律的短音階,etc.何でもゴザレだ.
(ピタゴラス律の円の絵の半音の塗り分けで,明らかに違うところがあったが.*)
心地よい協和,和音など,式と波形の合成や周波数解析から説明するかたわら,高校までの音楽と復習を,さりげなく入れる心遣いもあり.
音楽の先生の書く本より具体的で,私にはすごく分かりやすかった.
弦楽器・管楽器を問わず,自分で音程をとる楽器を嗜む理系の人には,楽しい参考書だと思う.


* 私が気付いたのは図18のハッチングのミスだが,それは第8刷だ.著者がブログで公開している正誤表によると,第9刷で訂正された模様.


トルトゥリエの現代チェロ奏法(倉田澄子訳)の「イントネーションのために」の節(p.48**.49)にある,
導音である全音階的半音 < その他の全音階的半音 < 半音階的半音 (<< 全音)
を読み,
導音はどれくらい狭めるといいの?
半音階的半音(臨時記号の付いた半音)はどれくらい広げればいいの?

が,頭から離れなくなった私だ.
**(トルトゥリエ訳本の p.48最下段には,校正ミスらしき記述もあり.私を混乱させたのだった.短3度は,長音階的半音1個と半音階的半音2個で出来ているのでございましょう.)
この頃,私の耳も弦楽器の音に慣れてきたらしい.オケの練習では,向かい側のヴァイオリンと,自分のチェロの音程が合っているかどうかにも,多少は気が回るようになってきた.(ゆっくりな曲で部分的になら,ですが.)
どうも,私の半音は向こう側のヴァイオリンと(それどころか誰とも?)合ってないような気がしていたところだったので,トルトゥリエの半音のずらし方の指示に,興味がわいたのだ.
弦楽合奏の解説でも,『チェロの(全音のど真ん中を取る)半音はヴァイオリンと合わないので,チェロはヴァイオリンをよく聞いて合わせるべきである』的な指摘はよく見かける.
半音の扱いが気になって,ピタゴラス律,純正律,ミーントーン,平均律,etc. の定義を調べ,それぞれの半音のセント値を自分でも計算してみた.
ピタゴラス律と純正律では,それぞれ半音階的半音が大幅に違うが,全音階的半音は,導音もその他も同じである.
全音階的半音のセント値
・導音  ピタゴラス律(90)< 平均律(100) < 純正律(112)
・その他 ピタゴラス律(90)< 平均律(100) < 純正律(112)
半音階的半音のセント値
 純正律(71) < 平均律(100) < ピタゴラス律(113) 
全音のセント値
 純正律小全音(182) <平均律(200)<純正律大全音(204)=ピタゴラス律(204)
5度のセント値
 平均律(700)<ピタゴラス律(702)
 純正律は増減あり
さらに,wiki英語版で半音そのものの定義を調べても知識の断片で,トルトゥリエの言う半音の大小関係の根拠となる体系はみつからない.この際,知識のまとめと,トルトゥリエの言っていることの根拠をさぐる意味で,上記の1冊を通読した次第.
小方先生の本はサスガに物理屋さんのご著作で.私にもよく分かってスッキリした ^^.
結局のところ,トルトゥリエの推奨(導音は特に狭くetc.)は,どの音律の実現を目指して導き出されたものかは分からなかった.弦楽器の音程の自由さを活用して,耳に心地よく聞こえる曲作り,ということなのだろうか.
他の楽器とチェロの音程の作り方の関係については,おいおい,レッスンで先生にもきいてみよう.


私にとってチェロに導かれる音楽の世界は,物理の波動論や音響学などひっくるめて,結局のところ知好奇心の対象なのよね.(元は物理学志望の高校生.)
チェロが上手に弾ける自分かどうかは度外視してチェロに耽溺してしまうのは,好奇心を満たす面白さからではないのかなー.

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ヴィブラートって,こうするの ですか…! (お試しあれ.と言うか,ご意見求む))

2009-9-12

P1020898前のエントリーに書いた,「トルトゥリエの現代チェロ奏法」.私にはとても面白い.
(以下,各節の感想なので,興味のない方には退屈です)


シフトの左手の二通りの動きの解説.
1つは,「カタパルト風の指の運動」
『このアーティキュレーションは他より短く,力も弱い薬指と小指に特に必要である』
なんだろう?…しばらく考え込んだ.この場合,articulateは関節を使った動きなのだ.多分.
手首の関節を急に曲げて突き出し,反動を付けて飛び出させた指を,バシンと指板に叩きつける動きのことを,カタパルト(いわば巨大パチンコ)に例えた模様.
弓を使わず,カタパルトで指をバシバシする第4ポジションまでのエチュード付き.


意識してバシンバシンとやると,音も少しはカリッとしてくる.(でも,私の4の指は相変わらずで,腰のない音だ...)
シフトの左手の2つめの動きは,スライドを使ったポジション移動.
ネックポジションのスライディングシフト.とか,4/5/6ポジションのスライディングシフトとか.これでもかこれでもか,という組み合わせでエチュードがいくつか.
これがキレイにできたら,楽に弾ける曲が増えるだろう.
イントネーション
響きを良くするために,短全音,長全音を意識してイントネーション(音程)を正確にするための,例題エチュードもある.
短全音・長全音・半音の区別を見分けてから,曲に取り組むと良いのだとか.
時々,先生に「ここは狭く取りましょう」と言われても,理由が分からないままに済ませてきたのだが,この機会に調べてみた.
Fis Gesどっちが高い?を含めて,短全音・長全音については,こちらのページの解説が一番まとまって分かりやすかった.(純正律音階
ヴィブラート
実は私,レッスンではまだヴィブラートには明示的には取り組んでいない.
オケでは,見よう見まねで周囲に会わせている状態.
だから,私のはインチキ・ヴィブラートだ.
指板の上で指を揺らすのだと思い,YouTubeの各種の画像も,そんな風に見えていたのだが.
トルトゥリエの本のヴィブラートは,全然違う
(最大のヴィブラートを得られる例として,3の指を使い.)
まず,A線のDに3の指を置く.
(親指は,通常2の指の裏側と言うことになっているので,)
このとき親指は,指板のF#の裏あたりに位置するわけだ.
次に,1,2の指は自然に3の指に近づける.
準備ができたら,親指は,指板の裏の,Fis と G のあたりを上下に滑らせる.これでOK.
やってみると,安定したヴィブラート.目からウロコ.
1-4指を思いのままにクネクネできない私でも,指板の裏で親指をスライドさせるくらいなら楽勝だ.
(ただし,最近のチェロ奏法として正しいのかどうかは,私には分からない..)


たまにまとまった奏法解説に目を通すと,面白いものだ.
未解決のままにしてきた,かすかな疑問のいくつかが一挙に解決できてスッキリ.
理解できたからと言って,その通りに弾けるわけではないが,分かることが増えるのは楽しい.


写真は「豊平館」.

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家に1冊,トルトゥリエ

2009-9-9

336010-3 150ヴィブラートの時の,指板の裏側の親指の動きを示す楽譜を見て,目からウロコでございました.(まだ試してないので,私に効果アリかどうかはわかりませんが.)
ポールトルトゥリエ 現代チェロ奏法 私の演奏法・教授法
倉田 澄子-訳 (楽譜)

左手の親指〜右手の小指の筋トレ,弓の角度などの初歩から,自由なスライド,シフトの指の入れ替え,運指法,そして1の指より上の音に親指を使う高度なテクニックまで.チェロの奏法解説&エチュードです.
YouTubeで見かけるトルトゥリエは,手が大きいと思っておりましたが,この本の楽譜で,やっぱりねーと言うところもありました.
「手の大きい人のための練習」.オクターブを1x4で押さえます.なるほど.そうですね.


楽典については高校の選択の音楽の知識までしかないし,先生に教わることを正しく理解するには基礎音楽力が不足と,常々感じています.
(長3度と単4度の音程の違いは,重音でチューニングする以上はきちんと理解しないと…とは思うのですが.未だに,12音なら Fis=Ges でございましょう,から先に進んでいないのです.)
長3度と単4度の音程のとり方(楽典ではなく,テクニックとして)の言及などもあるこの本を1冊,手元に置くと便利かと思った次第.
写真は多いですが,文字が苦でない人向けの本だと思います.


何と言いますか...
実は出張中なんですが.今日だけは日程がユルユルでございました.
それを見越して,ため込んだ仕事を持参したわけですが,ホテルに戻って取り組んでみると,奇跡的にも日の暮れないうちに片が付いてしまいまして,後は為すべきこともなく呆然.
思いついて,楽器店巡りをしてみました.あわよくば弓の試奏なんかできたら良いなっっ! というわけです.
1軒目はオフィスビルの2階.
入り口付近にチェロが4台並んでいるのが見えましたが,どうも,沢山の弓はなさそうな感じがして,中には入りませんでした.
2軒目は,この地域のヤマハの本店.
チェロはガラスケースの中に6台.チェロのMax価格はhalf millionあたり.
別のガラスケースの中に並んだ弓は7-8本.そのうち,チェロ弓は1本のみ.
ガラスケースの下の引き出しに,別の弓が多少はあるんだろうけど,大したことなさそうな感じ(生意気言って,スミマセン^^;.
というわけで,弓の冷やかしはあえなく未遂に終わりました.
代わりに,広い楽譜コーナーをうろついて,この本を見つけました.前から気になっていましたが,手に取るのははじめてです.
パラパラしてみると,レッスンで先生に教えていただいたあれこれや,オケの曲で疑問に感じているあれこれが載っているので,すぐに購入を決めた次第です.
ホテルに戻って,あっと言う間に1冊読み終えてしまいました.
楽器を構えられないので,音を出して試さない分,読み終えるのも早いわけです. あー,早く楽器にさわりたいものでございます.

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